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ビルベリーおよびリンゴンベリーの紫外線に対する網膜細胞保護作用

PDFJ. Agric. Food Chem., 2013, 61(43), 10345-10353

- The protective effect of bilberry and lingonberry extracts against UV light-induced retinal photoreceptor cell damage in vitro. -

Ogawa K, Tsuruma K, Tanaka J, Kakino M, Kobayashi S, Shimazawa M, Hara H.

 日常的に浴びる太陽光の紫外線は、加齢黄斑変性症や網膜色素変性症等の後眼部疾患に影響をおよぼすと考えられている。我々は、ビルベリーエキス (B-ext) およびリンゴンベリーエキス (L-ext) とそれぞれの主成分について、マウス由来網膜視細胞 (661W) 培養系を用いた紫外線誘発網膜障害in vitroモデルに対する保護作用を検討した。

【試験方法】
・661WにB-ext、L-ext、または両エキスの主成分であるアントシアニジン(デルフィニジン、シアニジン、マルビジン)、プロシアニジン (PC) 、レスベラトロール (Res) をそれぞれ添加し、紫外線(UV-A: 4 J/cm2)を照射して細胞障害を惹起した。 ・紫外線照射後に細胞代謝活性、死細胞率、活性酸素種の発生量をそれぞれ測定した。 ・ウェスタンブロット法により、ストレス応答タンパク質の一種で細胞死誘導に関与するp38 Mitogen-activated protein kinase (MAPK)、c-Jun N-terminal kinase (JNK)、細胞生存に関与するprotein kinase B (Akt) の変動を測定した。
【結果】
・B-ext、L-ext、およびアントシアニジン、PC、Res、UV-A照射誘発網膜視細胞障害を濃度依存的に抑制した。 ・B-ext、L-ext、およびアントシアニジン、PC、Resは、UV-A照射で発生する活性酸素種を濃度依存的に抑制した。 ・ウェスタンブロット解析の結果、B-extはUV-A照射によるJNKおよびp38 MAPKのリン酸化を抑制したが、Aktのリン酸化には影響を及ぼさなかった。一方、L-extは、p38 MAPKのリン酸化を抑制しなかったが、Aktのリン酸化減少を抑制した。また、シアニジンは、UV-A照射によるp38 MAPKリン酸化を抑制し、ResおよびPCは、Aktのリン酸化減少を抑制した。 ・B-extおよびL-extの併用添加により、UV-A照射誘発網膜視細胞障害をより軽減した。
【結論】
B-extおよびL-extとその主成分は、UV-A照射により惹起される網膜視細胞障害に対し保護作用を示すとともに、両エキスの併用でその効果は高まる可能性が示唆された。

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